良いテニス動画に高価な機材は要りません。必要なのは、動かないスマホと、足元・ラケット・ボールが同時に映る画角です。使えない動画のほとんどは、この3つのどれかが欠けています。
このガイドでは、ストローク別のカメラ位置、変えておきたい設定、練習の撮り方をまとめます。自分で見返す場合も、コーチに送る場合も、TennisAIのようなAI分析アプリにアップロードする場合も使えます。
用意するもの
- 空き容量が十分にあるスマホ。60fpsの動画は思った以上に容量を使うので、先に空きを作っておきましょう。
- スマホを固定する手段。小型の三脚か、多くのコートを囲む金網フェンスに付けられるフェンスクリップが便利です。
- フル充電のバッテリー。録画は電力を多く使います。録画中は画面の明るさを下げられることがほとんどです。
外付けレンズやセンサー、ジンバルは不要です。ここでは画質よりも安定性のほうがはるかに重要です。映像がぶれると、ラケットがボールに当たる瞬間が見えなくなります。
ストローク別のおすすめカメラ位置
見る角度によって、見えるフォームの問題は変わります。1つの角度で全部は見えないので、確認したい内容に合う位置を選びましょう。
| アングル | スマホの位置 | 最も見えやすいもの |
|---|---|---|
| 真横 | 打点と同じ高さで、サイドラインから数メートル離れた位置 | 打点、スイング軌道、体重移動、サーブの動き |
| ベースライン後方 | 自分の真後ろの中央で、フェンスの手が届く限り高い位置 | コート上のポジション、フットワーク、ボールの深さ、ポイント全体 |
| コーナー | ベースライン後方のコート角に近い位置 | ストロークとボールの行方をまとめて見られるバランスの良い画角 |
| 正面 | ネットの向こう側から自分を向く位置 | ラケットの準備と、早い段階の肩の回転 |
フォアハンドとバックハンド
打つときに体が向く側から、打点とほぼ同じ高さで撮影します。この1つの画角で、体の前でボールをとらえられているかや、スイングがボールの下から上へ抜けているかがわかります。スマホは腰から胸の高さに置き、見上げるような映像にならないようにします。
サーブ
できれば2本に分けて撮ります。真横からはトス、膝の曲げ、インパクトの瞬間が見えます。ベースライン後方からは、トスがどちらへ流れるか、体がコートのどちらへ進むかが見えます。トスとラケットは最初に画面から切れやすいので、頭の上に余白を多めにとってください。映像が撮れたら、サーブ上達ガイドで何を見ればよいかを確認できます。
試合とラリー
試合はベースライン後方から、できるだけ高い位置で撮ります。たとえばフェンスの上にマウントを付ける方法があります。高い位置のほうが、ボールの深さと動きを判断しやすくなります。両ベースラインとアレー(ダブルスのサイドの幅)がフレームに収まっているかも確認しましょう。カメラが1台しかない場合も、この画角なら試合全体の見返しができます。
変えておきたいスマホの設定
- 解像度とフレームレート: 1080p・60fpsが基本の目安です。ファイルサイズを抑えつつ、スイングをスローで見るのに十分なコマ数が得られます。iPhoneでは「設定」から「カメラ」、「ビデオ撮影」の順に進むか、ビデオモードでカメラ画面上部の数値をタップします。
- オートFPS: iPhoneは暗い場所でフレームレートを24fpsまで下げることがあり、速いスイングがぶれます。屋内や夕方に撮るなら、同じ「ビデオ撮影」メニューでこの項目を確認してください。
- スローモーション: サーブやフォアハンドを1本ずつ細かく見るのに便利です。iPhoneのスローモーションは最大240fpsで撮れますが、コマ数が多いほどファイルが大きくなるので、短いクリップにとどめましょう。
- 向き: 横向きで撮影します。テニスコートは横に広く、縦向きだと動きやボールが切れてしまいます。
- フォーカスと露出: 多くのスマホは画面を長押しするとロックできます。誰かが前を通るたびにピントが合い直すのを防げます。
- レンズ: デジタルズームは避けます。ズームせず、スマホ自体を近づけてください。
構図の決め方
- 友だちに画面を見てもらいながら数球打つか、始める前にテスト動画を撮って確認します。
- 画面の下に足が映り、ラケットを最大限に伸ばしたときの上にも余白があることを確かめます。
- 動く方向にも余白をとります。真横から撮る場合、ラリー中に自分は横へ流れます。
- インパクトの前後で、少なくとも一瞬はボールが映るようにします。ボールがすぐ画面から出ると、ショットの判断が難しくなります。
- スマホは固定したら触りません。途中で触ることが、傾きやぶれの主な原因です。
練習では何を撮るか
長くて目的のない動画は見返すのが大変です。練習全体を無計画に撮るより、1つの目的に絞った短い時間を撮るほうが役に立ちます。
- 1回に1つのストローク: フォアハンドやサーブを数分撮れば、比べられる本数が十分に集まります。
- 毎回同じ画角: 毎回同じ角度で撮ると、変化が格段に見えやすくなります。
- プレッシャーのかかる場面: ポイント練習も撮りましょう。落ち着いた練習でのフォームと、試合でのフォームは違って見えることがよくあります。
よくある撮影ミス
| ミス | 起こること | 対処法 |
|---|---|---|
| スマホが近すぎる | 足やラケットがフレームから出る | スイング全体が収まるまで下げる |
| 暗いフェンス越しに撮る | ピントが自分ではなくフェンスに合う | レンズを網目の隙間に当てる |
| 太陽に向かって撮る | 自分がシルエットになる | 太陽がカメラの後ろに来るよう位置を変える |
| 手持ちで撮る | 映像がぶれて打点が見えない | 三脚かフェンスクリップを使う |
| 毎回アングルが違う | 練習同士を比べられない | 置く場所に印をつけて同じ位置を使う |
AI動画分析を最大限に活かすには
自動分析の精度は、カメラに何が映っているかに左右されます。TennisAIでは、動画の画質、カメラの角度、明るさによって結果が変わることがあります。人が見返すときに役立つ工夫は、AIにとっても役立ちます。動画にそのストロークが映っていない場合、アプリはスコアをつけずに「Not in video」(動画に映っていない)と表示します。フィードバックがほしいショットは、必ず動画に入れておきましょう。

スコアは、時間をかけて比べると、さらに役立ちます。毎週似た角度で撮った動画をアップロードすれば、進捗の履歴に表れるのはカメラ位置の違いではなく、あなたのプレーの変化になります。動画から技術に何がわかり、何がわからないのかを知りたい場合は、AIスイング分析でわかることをお読みください。
よくある質問
テニスを撮影するのに一番よい角度は?
フォームの確認には、打点とスイング軌道が見える真横からの撮影が最も役立ちます。試合には、ベースライン後方の高い位置が向いています。コート上の位置やボールの深さがわかるからです。
テニス動画のフレームレートはいくつにすればよい?
多くの練習では、1080p・60fpsで十分です。スローモーションは、サーブなど1つのストロークを短く撮るときに便利ですが、ファイルは大きくなります。
三脚なしで自分のテニスを撮るには?
多くのコートには金網フェンスがあるので、フェンスクリップが最も手軽です。バッグに立てかける方法もありますが、倒れないこと、見上げる角度にならないことを確認してください。
スマホは横向きと縦向きのどちらで撮るべき?
横向きです。横長のフレームなら、ラリー中の動きとボールが映り続けます。縦向きだとそれらが切れてしまいます。
参考資料
この記事はテニスのトレーニングに関する一般的な情報であり、コーチや医師のアドバイスに代わるものではありません。痛みがあるときは中止して、専門家に相談してください。TennisAIは、このブログの発行元であるPaceが開発しています。